広島市民球場跡地利用市民研究会ホームページ

<平和マップ1>

■平和マップ趣意書----------------------------------------------

被爆直後に入市した写真家林重男は、商工会議所の望楼に上がって言った、「こんなばかな」。そこには、見渡す限りの焼け野原が、水平線まで続いていた。

被爆の情報が集約されている原爆資料館や平和公園の各施設を見てまわった際に、被爆したのはこの周辺でしかなかった、という感覚にとらわれることがある。しかし実際は、爆心地を中心として、広範囲にわたって被爆している。その被爆した空間を、「被爆空間」として、捉えなおす作業が必要と思われる。

かろうじて、被爆の痕跡を残す、被爆遺跡や樹木が幾つか残っている。それぞれの物語がそこにはある。また、原爆の子の像が平和公園内にあるが、佐々木禎子が、どのあたりで被爆して、どこの病院に入院して折鶴を折り続けていたかを知っている人は少ない。その病院や、被爆地の楠木町を訪ねてみる人がいてもよいのではないだろうか(病院の場合は、外に説明看板を置くなどの、業務に支障が出ない対策が必要)。彼女の被爆地あたりに立って、爆心地から北へ約1.6キロの位置にあることを理解して、想像してみる。

「おうたもんしかわからんけー」という被爆者の声もある。しかし、我々は、その超えられない現実に立ち止まるのではなく、すこしでも近づく努力をし続けなければならない。

落とした側の視点と同じように、全体像を上から模型で見下ろすのではなく、落とされた側の視点に立つこと、つまり、被爆したそれぞれの場所に行き、そこで、感じ考えて、それぞれの物語から、全体を捉えなおすことが必要と思われる。そして、そのきっかけが必要なのである。

実際に訪ねることのできる被爆や復興の痕跡を、平和というキーワードでまとめられた地図(平和マップ)をもって見てまわることができるようにする。

a)対象:平和公園と市民平和公園を訪れたすべての人

b)金額:一枚10円とする。

c)置き場所:市民提案、通称「3枚の壁案」の願いの壁に置く。そこに、そのお金を入れる箱を設ける。その他の場所に置くことも可。

d)編纂計画:通称「3枚の壁案」の計画者と市の観光課などが中心となって、関連するNPOや都市計画事務所などに相談しながら、内容を策定する。その場合、計画者の編集方針を尊重することとする。また、情報は毎年更新する。

■平和マップの特徴----------------------------------------------

1)値段が、一枚10円程度の地図

2)表側に、主要な平和及び復興関連施設と被爆遺跡・被爆樹木の地図が載っており、裏面には、慰霊碑・供養塔・像と原爆の絵碑の地図が載っている。

3)各地図に、爆心地とそこからの距離がわかる円弧が描かれており、市内を流れる川が強調されている。これら2つは、広島とヒロシマの座標として機能している。

4)平和の軸もかかれている。

5)復興関係や、あまり取り上げられてこなかったが、ヒロシマにとって重要な要素が盛り込まれている。

13.地球平和監視時計:時計の数字は、核実験が行われる度に、リセットされる.

25.三角スタジアム:復興のシンボル、旧市民球場の一部が残されている。旧球場と カープの資料室があり、外ではイベントや三角ベースができる.

32.護国神社大鳥居:原爆ドームとともに爆心地付近で被爆し、奇跡的に生き残っ た鳥居.その後移設されて、現在の位置に置かれている.

39.基町POP`La通りのポップラとニセアカシア:ヒロシマ復興を見守ってきた2本の樹木.

ニセアカシアは、映画「夕凪の街 桜の国」のキースポット.

6)市民平和公園の要素も含まれている。

 

平和の壁、哲学の壁、明日の神話、被爆電車の停留所や広島平和巡礼証明書発行所など

Copyright © 広島市民球場跡地利用市民研究会 KOIKE All Rights Reserved.
inserted by FC2 system